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広縁のある和の家/完工

よしざわです。

4月末に竣工している「広縁のある和の家」です。

なかなか更新が追いつかず、、_φ(・_・

ブログ上とはいえ、やっと…ε-(´∀`)

完工の運びとなりました。

 

 

前回の外観の続きです。

竣工写真から。(都合により、間取りの説明なしですm(__)m)

 

 

洗面台/リクシル・ピアラ750

ミラーキャビネット/サンワカンパニー・ホテルミラー900

 

浴室/タカラスタンダード・グランスパ

 

 

 

 

キッチン/ナスラック・ベルフラワー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お施主が大切にしたのは「内と外」をひとつとして考える住まい。

様々な選択をする際に常に念頭に置かれていたのは「内と外の繋がり」

例えば窓から見える景色であったり、窓の大きさや高さ、外からの視線、外観。

 

 

「外と内の繋がり」を持たせる住まいというのは、その風土の持つ風や光など「気候」を生かした住まいづくり。

もともと、なるべく冷暖房など家電に頼らない暮らし(四季を通して)を実践されてきた施主様。

ご要望は四季を生かした(受容する)自然体の住まい。

特に意識したのが、上辺のデザインだけでない機能性を重視した住んだ時に無理のない住まい。

例えば、窓配置は風が抜けるよう計画通りに。湿気と付き合うには内装は漆喰、木張りは手が触れるところに使用するなど。

パッシブハウス(環境共生住宅)ですね。

 

こうなると思い出すのが、言わずと知れた京都の名建築「聴竹居/ちょうちくきょ」

さながらの今回の計画

「聴竹居」とは京都にある、日本最初のパッシブ住宅。

聴竹居

 

真に日本の気候・風土にあった、日本人の身体に適した住宅を求めて模索した藤井氏によって今から90年以上前に建てられた自邸。

気候風土を利用しながら、「居心地」を追求した最初の住宅ともいわれます。

 

外でもない中でもない中間領域と呼ばれるバッファゾーンに重きを置き工夫を凝らした点も重なります。

今回のお宅も和室と中庭との間に広縁を設け、離れのようなゆとりや特別感を演出します。

 

 

家の中に居ながらにして落ち着いて外を感じることができる間取り。

 

人はとかく数字に囚われがちですが、◯帖というような面積だけでない感覚を大切にしたいですね。

居心地の良さ〜とは単に数字的な「広さ」ではなく、「広がり」を感じられるよう設計するか、広がりの計算高さがポイントになってきますね。

 

例えば、聴竹居では部屋の広さに応じて照明器具の大きさを変えることで部屋を狭く見せない仕組みも。

こうした今では当たり前の考えも、90年以上前にすでに実践していた人がいたと思うと驚きですね。

現代のインテリア、工業、デザイン等々の基盤になっているんだと思うのです。

 

 

また、壁や扉で分かる間取りでなく、天井や床の高さを巧みに利用して、居心地としての「領域」を分けた住宅とも言われているのが聴竹居。

聴竹居については長くなるのでまた次回^^

 

今回の「広縁のある和の家」

和室の床を高くしたり、

けれどリビングは清々と吹き抜け、

キッチンは平天井、

2階の吹き抜け廊下も一段上がる…

などなど

メリハリのある空間が目を引きます。

 

(写真に写ってないが一段上がる)

 

随所に床、天井の工夫で巧みに領域分けが施されています。

「なんとなく居心地がいいなぁ」を意図的にうまく生み出す仕組みになっています。

それもこれも施主様のご要望。

ほんと、あっぱれです。

例えば和室。

天井を高くすれば良い、というものでない和室。

囲われた落ち着く空間だからこそ、座って寛ぐ事の多い空間だからこそ、天井が高い必要がない。

 

むしろ、低いほうが落ち着いた居心地の良い空間となりますね。

扉や壁をつくらずとも、自然な形で緩やかに分けることのできる技。

 

別々のことをしていても、いつも家族の「気配」を感じることのできる住宅は和の住宅の原型かもしれませんね。

 

 

和の真髄とも言える今回の設計。

お施主様の熱意なしでは叶いませんでした。

単に面積のような数字にとらわれる事なく、

「こんな暮らしがしたい」

ここでこうゴロゴロしたい。とか、ご飯はここで食べたいからこうしたい。とか^^

2階の秘密の廊下(みんなでそう呼んでました^^)では、窓枠に肘をかけてこうしたい…^^

などなど

暮らしのイメージがとっても明確。聞いているこちらまでわくわく^^

そして最後まで伝え続けてくれました。

 

 

今、数年後、数十年後をしっかりと見据えた施主様の姿勢、大変勉強になりました。

 

 

機能性、居住性を重視された今回のご新築。

名建築、聴竹居に共鳴するところがあり例にあげましたが、なにを重要視するかは全ての家で異なるのが住宅。

 

クボタ住建は全ての施主様の思いに寄り添います。

おなじ家は二つとない、かけがえのない居場所ですからね。

ご家族のための、たったひとつのここにしかない大切なお家を建てるのですから、もちろん答えは一つではありません^^

 

まずはご家族で考え、そして伝えることから^^

「こんな暮らしをしたい。」=家です。

教えてください^^